季節の変わり目は調子が悪くなる?
10月、11月でも日中は半袖で過ごせるような陽気が続いた後、急に肌寒さを感じる日が増えてきました。
気温を見ると、11月中旬としては「例年並み」の寒さと言われていますが、上着いらずの暖かい日が続いていた分、寒く感じてしまいますね。
さて、季節の変わり目は風邪をひきやすいと良く言われますが、実はメンタルの調子を崩す方が多いタイミングでもあります。
カウンセリングを受けていらっしゃる方の中にも、気温が急に下がったあたりで「落ち込みがひどくなった」「眠りが浅くなった」とお話しされる方がちらほらいらっしゃいました。
「急な気温の変化も、人間にとってストレスになりますからね」とお伝えすると、「そういえば毎年この時期は調子が悪くなるかも」とご自身のパターンに気が付かれる方も多いです。
環境の変化とストレス
気温の変化も含めて、環境の変化は生き物にとってストレスになりうると考えられています。
身近な例でいえば、引っ越しや転職、進学・進級、離婚などで大きく環境が変わる時には、精神的にも肉体的にも負担を感じやすいことがイメージしやすいのではないかと思います。
上記の例以外にも、結婚や昇進、赤ちゃんの誕生、楽しみにしていた旅行等、一般的には「良いこと」「うれしいこと」と感じるプラスの変化であっても、実は同じようにストレスとなることが知られています。
「おめでたいこと、うれしいことなのにストレスだなんて」と感じられるかもしれません。
そもそも、「ストレス」という言葉自体、「悪いもの」だけを表す言葉ではなく、「良いストレス(ユーストレス)」「悪いストレス(ディストレス)」という考え方もあります。
ストレスの研究者であるセリエ博士は、「ストレスは人生のスパイス」という有名な言葉も残しています。
「定年退職したら張り合いがなくなった」「ライバルからよい刺激を受ける」等の言葉にも表れているように、私たちが生き生きと生活する上で、適度なストレスは良いスパイスになってくれているのかもしれませんね。
自分を労わる習慣を
季節が移り替わることは、旬のおいしい食べ物が店頭に並んだり、きれいな紅葉が見れるようになったり、新しい洋服をおろしたりと、楽しみな変化も同時にもたらしてくれるものだと思います。
その一方で、急な気温の変化によるストレスもあったりする、心身ともにバランスを崩しやすい時期でもあると考えられます。
「風邪をひきやすい」こととメンタルの状態も深く関係していると言われており、メンタルのバランスを穏やかに保つことは体の健康のためにも重要であることが分かってきています。
これは、ストレスを感じると「自律神経」のバランスが崩れることで、免疫のはたらきが弱まってしまうことが関係しています。
(自律神経については、「自律神経ってなに?」で少し詳しく解説しています。)
風邪のひきはじめにしっかりと休息をとることが大切なのと同じように、大きな変化を迎えるこの季節、改めて「ほっと一息」つけるリラックスタイムの習慣を取り入れたり、良い睡眠がとれるような過ごし方を工夫したり、心と体をいたわりながら新しい季節を迎えられればと思います。