起立性調節障害

朝どうしても体調が悪く起きられない、内科に行っても感染症等のハッキリわかる原因がみつからない…といった状況から気が付かれることが多く、

思春期に発症することが多い自律神経のトラブルの1つです。

心理社会的要因(親子関係や、学校でのトラブル等)によって身体の症状も悪化することが知られている子どもの心身症の代表的な疾患であると言えます。

4つのタイプ

症状の違いから、以下の4つのタイプに分けられると言われています。

①「起立直後性低血圧」

起立直後に極端な血圧低下および血圧回復の遅れが認められる

②「体位性頻脈症候群」

血圧低下を伴わないが、心拍数の増加が強い

③「血管迷走神経失神」

起立中に突然収縮期と拡張期の血圧低下ならびに起立性失調症状が出現し、意識低下や意識消失発作が生じる

④「遅延性起立性低血圧」

起立直後の血圧・心拍は正常であるが、起立後3~4分経過して血圧が低下する

自律神経の機能不全

4つのタイプに共通して、「自律神経が正常に機能していない」ということが背景としてあります。

通常は血圧や心拍を意識せずにうまくコントロールしている自律神経の働きが乱れることで、めまいや立ち眩み、失神などの症状が現れると考えられています。

重症例では、脳への血流が少なくなってしまうことで脳機能が低下し、長期の不登校・ひきこもり状態となることで、日常生活や社会への復帰に大きな支障となることが明らかになってきました。

治療法

血圧や心拍数を調整し、症状を緩和するために薬物療法がおこなわれることもあります。

お薬以外の治療法としては、生活習慣の改善(朝起きて十分な光を浴びること、ゆっくり起き上がること、ストレッチや適度な運動など)のほか、カウンセリングや自律訓練法、行動療法などがおこなわれています。