限局性恐怖症
高所恐怖症、クモ恐怖症など、「○○恐怖症」と名前がついているものは数多くあります。
健康な人であっても、高い場所やクモなどには不安を感じたり避けたい気持ちを抱いたりすることもあります。
しかし、恐怖症がある人は、恐怖の対象を直接見ると日常生活に支障をきたすほどの強い恐怖を感じるといわれています。
この時の恐怖の対象は「恐怖刺激」と呼ばれます。
限局性恐怖症の特徴
「○○恐怖症」と呼ばれるものはすべて「限局性恐怖症」に分類されます。
限局性恐怖症は、不安症群/不安障害群に含まれる疾患の1つです。
今日はの対象、つまりクモ恐怖症の場合のクモや、水恐怖症の場合の水にあたるものを、「恐怖刺激」と呼びます。
恐怖刺激の中には、動物やもの、特定の状況など様々なものが含まれます。
限局性恐怖症は、恐怖刺激への強い恐怖や不安を特徴としています。
さらに、その恐怖・不安が、一般的なレベルではなく、実際の危険性と釣り合わないほど過剰であり、その状態が6ヶ月以上続いているときに限局性恐怖症の診断がつくとされています。
恐怖刺激の例としては、以下のものが挙げられます。
- ①動物(イヌ、クモなど)
- ②自然環境(高所、雷など)
- ③血液・注射・負傷
- ④状況(電車やバス、閉所など)
- ⑤その他(窒息や嘔吐につながる状況など)
上記のものの中には、健康な人でも不安を感じる場合もありますが、限局性恐怖症ではその不安が極端に強く生じるため、恐怖刺激を回避しようとして日常生活に支障が出るようになります。
トラウマ的な出来事に遭遇した後で発症することもありすが、「これが原因で恐怖症になった」というような特定の理由を思い出せない場合も多いと言われています。
限局性恐怖症に対する治療法
治療は認知行動療法が多く適用されており、中でもエクスポージャー法と呼ばれる、恐怖刺激に徐々に慣らしていく方法が用いられています。
また、不合理な信念を修正する認知再構成法やリラクセーション法を組み合わせながら治療が行われることが多いです。