リモートワーク、テレワークといった言葉が身近なものになり、オンライン会議や在宅勤務の機会が増えた方も多くいらっしゃるかと思います。
カウンセリングでも、「オンラインカウンセリング」のサービスがより充実してきました。
リモートワークをしていて、「出勤した時よりもなんとなく集中しづらい」「仕事が進みずらい」と感じたことはあるでしょうか?
実は、リモートワークと出勤した時の仕事環境の違いが、パフォーマンスに影響しているかもしれません。
社会的促進
周囲に他の人がいる環境の方が仕事に身が入る現象を、心理学では「社会的促進」と呼んでいます。
競輪の公式記録の分析から、「単独で走っている時よりも、競い合って走る場合の方が良いタイムが出る」ということが分かったことをきっかけとして発見された現象とされています。
もし、在宅勤務中に「いつもの調子がでない」「集中できない」と感じるとすれば、オフィスの環境では同僚や上司が周囲にいることによって「社会的促進」が働いていたのかもしれません。
その場合は、カフェやレンタルスペースに場所を移して業務を行ったり、オンライン会議を繋ぎながら作業をするなどの工夫をすることで効率よく作業できる可能性があります。
一方で、「周囲に人が居ると気が散って集中できない」という経験をしたことがある方も多いでしょう。
これは、「社会的促進」の考え方と矛盾しますが、どうしてそのようなことが起こるのでしょうか?
社会的抑制
社会的促進の反対に、「社会的抑制」という現象が発見されています。
周囲に人が存在していたとしても、作業の内容が複雑な時は、逆に効率が落ちてしまうという現象です。
たとえば「慣れていない、新しいこと」に取り組む場合は「人から見られている」ことが緊張につながり、マイナスに働くことが考えられます。
ルーティーン化されている、慣れている課題については「周囲に人が居たほうが捗る」社会的促進がはたらきやすく、慣れていない新しい課題については、「一人の環境の方が集中しやすい」社会的抑制がはたらきやすいといえます。
私たち人間は「人からどう見られるか?」を多かれ少なかれ気にする面がありますが、「人から見られる」という環境の良い部分を使って、環境を整えていけると良いですね。
上記のような「社会的促進・社会的抑制」の考え方を参考に、より自分に合った働き方を組み合わせて考えていけると良いのではないかと思います。