生活していると相手に自分の意見を伝える場面は数多くあります。
学校での発表、職場での会議や打ち合わせ、家族や恋人・友人とのコミュニケーション・・・
他にも
「あれ?お釣りの金額が合わない」「並んでいたのに、気づかずに抜かされてしまった」などのちょっとした場面で、トラブルを避けるためにぐっとこらえたり、なんと言っていいかわからなかったりすることもあるのではないでしょうか。
ご相談の多くは、「人間関係の悩み」が関係しています。
カウンセリングでは、「自分も相手も尊重するコミュニケーションの方法」として、「アサーション」の理論があります。
アサーション・トレーニング
自分と相手の権利をどちらとも尊重しながら、「適切で建設的な自己主張・自己表現(=アサーション)」ができるスキルを身につけるトレーニングのことを、アサーション・トレーニングと言います。
相手の権利を尊重しつつ、自分の気持ちや考え、意見を適切に主張するための、コミュニケーションのトレーニングです。
3つのタイプ
1.非主張的
その場では自分の考えや感情を表現しなかったり、我慢して抑え込んだりするタイプ。
後からモヤモヤしたり、怒りが込み上げてきたりすることも。
2.攻撃的
相手の気持ちや考えを無視して、自分の意見を主張するタイプ。
怒鳴ってしまったり、攻撃的に伝えてしまったりすることも。
3.アサーティブ
相手の気持ちにも配慮しながら、適切な方法で自己主張をするタイプ。
自分はどのタイプに当てはまる傾向がありそうでしょうか?
コミュニケーションの仕方で、上記の3つのタイプに分類されます。
アサーティブ・トレーニングでは、3.アサーティブな行動を身につけることで、適切な自己主張をしながら、よりよい対人関係を築くことを目指します。
相手への具体的な伝え方の手順に沿ってセリフを考えたり(DESC法)、場面を設定して実際に練習してみたりすることを通して、コミュニケーションの練習をすることができます。
カウンセリングでは、実際に困った場面についてお話ししながら、状況や気持ちを一緒に整理してトレーニングに活かすお手伝いをさせていただきます。
DESC法
アサーションの具体的な方法を4つのステップにまとめたものです。
「Describe(描写する)」「Express(説明する)」「Suggest(提案する)」「Choose(選択する)」の4つのステップで会話を進めることで、適切な自己表現を目指します。
1.Describe(描写する)
まずは伝えたい意見や感情が生まれた場面の「事実」を言葉にしていきます。
ここでは感情や自分の意見は入れず、あえて「事実だけ」を伝えるようにします。
2.Express(説明する)
最初に伝えた「事実」に対する自分の意見や気持ちを伝えます。
素直に言葉にすることを心がけ、攻撃的にならないよう注意します。
3.Suggest(提案する)
問題を解決するための、自分なりのアイディアや代替案の提案をします。
4.Choose(選択する)
提案は全て受け入れられるとは限りません。
提案を相手が受け入れてくれた場合、受け入れてくれなかった場合、それぞれに対して結果や選択肢を伝えます。
受け入れられなかった場合でも、再度、違う提案をすることで妥協点を探ることができます。