発達障害
発達障害、という言葉がよく知られるようになり、カウンセリングのお問合せでも「自分は発達障害ではないか?」と思ってお申込みいただく方が多くいらっしゃいます。
今はインターネットで「発達障害の特徴」が出てきたり、簡単なセルフチェックができてしまうので、却って不安が増す環境があるのかもしれません。
発達障害は「0か100か」ではなく、「少しだけ傾向がある」状態から、「特徴が強く日常生活に支障が出ている」状態まで、グラデーションのようになっていると考えられています。
誰しも得意・不得意はありますので(それが「個性」になります)、箇条書きにされた「発達障害の特徴」を見ると、多くの方は「自分に当てはまる」と感じるのかもしれません。
発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。そのため、養育者が育児の悩みを抱えたり、子どもが生きづらさを感じたりすることもあります。
発達障害があっても、本人や家族・周囲の人が特性に応じた日常生活や学校・職場での過ごし方を工夫することで、持っている力を活かしやすくなったり、日常生活の困難を軽減させたりすることができます。
厚生労働省HPより
上記の引用にも書かれているように、発達障害は幼少期から特徴が現れることが1つの判断基準となっています。
しかし、全ての人が幼少期にわかりやすいサインがあるかというとそうではなく、幼少期〜学生時代まで問題なく(または困ることはあったけれど周囲のサポートやご本人の努力で乗り越えて)生活してこられた方もいらっしゃいます。そして、社会人になり生活が変わったり、仕事を始めたりされる中で生きづらさが出てきて、調べたら発達障害と診断された、というのが所謂「大人の発達障害」と言われる状態でしょう。
そのため、大人の方であっても、診断をするためには、病院で医師が丁寧に幼少期の出来事から現在の困り感までの聞き取りを行い判断することが必要となります。
判断の材料として、発達や知能の状態を見る心理検査を実施することもあります。
発達障害は、早期に発見し、「療育」と言われる不得意な部分を伸ばすトレーニングを実施することが大切です。
トレーニングを継続することで、苦手だった能力も伸びていき、発達のバランスをより良くしていくことができます。
また、高校生や大人になってわかった、という方でも、苦手なことへの対処法や、生きづらさを和らげるセルフケアを習得していくことでより穏やかに生活することが大切だと考えられます。
発達障害の種類
発達障害には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害、LD)、チック症、吃音などが含まれています。
発達障害の種類について、また改めて記事を書きたいと思います。