認知症と認知機能の衰え

最近、アメリカのバイデン大統領が認知症の兆候を示しているのではないかという報道がありました。

認知症は高齢者に多く見られる病気であり、高齢化社会と言われる今、私たちの身近な病気の1つでもあります

今回は、認知症とそのメカニズムについてカウンセラーの視点から理解を深めていきたいと思います。

認知症とは何か?

認知症とは、記憶や思考、判断力などの認知機能が徐々に低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。

アルツハイマー型認知症が最も一般的なタイプと言われており、脳の神経細胞が徐々に死んでいくことが原因です。他にも血管性認知症レビー小体型認知症など、認知症の中にもさまざまなタイプがあります。

認知機能の衰えのメカニズム

認知機能の衰えは、脳内の神経細胞の減少や連絡の障害が主な原因です。

研究により、以下のようなメカニズムがあることが分かってきています。

1. 神経細胞の死滅: アルツハイマー型認知症では、アミロイドベータという異常なタンパク質が脳に蓄積することで、神経細胞が死滅します。

2. 血管の障害: 血管性認知症では、脳内の血管が詰まったり破れたりすることで、血流が悪くなり神経細胞が損傷します。

3. 神経伝達物質の不足: 認知症では、アセチルコリンなどの神経伝達物質が減少し、脳の機能が低下すると言われています。

認知機能の衰えに気づくサイン

日常生活の中で以下のようなサインが見られる場合、認知機能の衰えが疑われます。

  • 記憶力の低下: 直近の出来事を忘れてしまう。
  • 判断力の低下: 普段ははできていたような簡単な計算や判断ができなくなる。
  • 言語能力の低下: 言葉が出てこなくなったり、会話が難しくなる。
  • 時間・場所の感覚の喪失: 日付や場所がわからなくなる。

日常生活に現れる症状

例えば、高齢の親が頻繁に鍵を置き忘れるようになったり、約束を忘れてしまうことが増えたと感じる場合、それは認知機能の衰えの初期サインかもしれません。

また、料理をしている途中で何をしていたか忘れてしまったり、買い物リストを見ても何を買うか思い出せない場合等も注意が必要です。

カウンセリングでの対応

カウンセラーとして、認知症の兆候が見られるクライアントやそのご家族に対して、以下のようなサポートが考えられます。

  • 1. 早期発見と医療受診の提案: 認知症の初期サインを見逃さず、専門医の診断を受けるよう促します。
  • 2. 心理的サポート: ご本人やご家族を含めて、認知症の進行に対する不安やストレスを軽減するためのカウンセリングの実施が考えられます。
  • 3. 生活の支援: 日常生活での具体的なサポート方法を一緒に検討し、ご本人やご家族の生活の質を向上させることをサポートします。

認知症は早期に対処することで進行を遅らせることが可能です。

ご家族や周囲の方の理解と協力が重要なため、医療機関やカウンセラー等、専門家の利用を前向きに考え、適切な情報やサポートを得ることが大切です。