見通しがつくと不安が下がりやすい

見通しと不安

先々の見通しが不透明で、「これからどうなってしまうのか分からない」状態では、誰しも不安を感じやすいのではないかと思います。

反対に、「これから〇〇をして、その次に△△があるから、××時には終わるだろう」と見通しが持てている状況では、落ち着いて取り組みやすいと言えます。

たとえば、マラソンでもゴールが決まっているからペース配分をしたり、「もう少しだ」と思って頑張れたりすることがありますね。

それと同様に、目標が定まっていて、そのための手段も分かっている状態のほうが、力を発揮しやすいと考えられます。

見通しを持つことで不安が下がる仕組みが上手く活用されているものの1つが、私たちの身近にある「信号機」です。

最近では歩行者用信号の隣に、「残りの待ち時間」が視覚的に分かるような表示付きのものが増えています。

残り時間が目で見て分かることで、待ち時間のイライラが軽減されると言われています。

発達特性との関係

発達障害の1つである自閉症スペクトラム(ASD)の傾向を持っている場合、「見通しを持ちづらい」「見通しの立たない状況では不安を感じやすい」という特性を持っていることが多くあります。

これは、特性の1つに「想像力をはたらかせめ考えることが苦手」ということがあるため、先の展開をうまく想像できない傾向があると考えられています。

ASDの傾向を持つ方に限らず、人間は「曖昧な状況」「どうなるかわからない状況」では、不安を感じますが、ASD傾向のある方ではより強くその不安を感じると言うことができます。

目標設定との関係

発達障害の傾向の有無に関わらず、「どこに向かっているのかはっきりしない」「目標が定まらない」「方法が分からない」といった気持ちが大きいのは、見通しが持ちづらい状況になっているサインかもしれません。

今の目標やなりたい自分について再度考えてみたり、良い方法がないか情報をインプットしたりするタイミングと捉えて、一度立ち止まって考えてみるのも良い方法です。

カウンセリングの中でも、目標設定や、どんな方法で取り組んだら良いのかなど、1人1人の個性や環境に合った方法を一緒に模索することができます。

カウンセラーなどの第三者や、身近な人に相談して新たな視点を取り入れることも、問題解決に役立つのではないかと思います。