こんにちは。
今回は、前提話法と呼ばれるコミュニケーション・スキルの1つについて、日常生活でどのように応用できるかも含めてお話ししたいと思います。
カウンセリングの中でも、カウンセラーがクライアントさんと効果的にコミュニケーションを取るために、前提話法の考え方を応用することがあります。
前提話法とは?
前提話法とは、相手に何らかの前提を含んだ言葉や質問を投げかけることで、その前提を自然に受け入れてもらうコミュニケーションのスキルです。
例えば、「来年までにどんな変化があるか、楽しみですね」という言葉の中には、来年までに何かしらの「(ポジティブな)変化が起こる」という前提が含まれています。これにより、相手は無意識にその前提を受け入れ、ポジティブな思考を促されるような影響があると考えられています。
カウンセリングの中での前提話法の活用
カウンセリングでは、クライアントさんの自己肯定感やモチベーションを高めることを目的に、前提話法を用いることがあります。
例えば、「次回のセッションまでにどんな進展が見られるか楽しみですね」という言葉は、「進展がある」という前提を含んでおり、クライアントに対してポジティブな期待を持たせる効果があります。
日常生活での前提話法の例
前提話法は日常生活でも多くの場面で活用されています。
1つ、親子間での声かけの例を挙げてみましょう。
親子のコミュニケーション
子どもが帰宅後ランドセルを投げ出してなかなか宿題をしない場合、「はやく宿題して!」と言いたくなるところですが、前提話法を意識するとどうなるでしょうか?
たとえば、「宿題を終えたら何して遊ぶ?」と聞くことで、命令するのではなく「宿題をやるのは当然、大前提」という認識を自然に伝えることができます。
また、「宿題をやるのは当然」という意識で、後の楽しい予定を付け加えると、お子さんに対して「親は『宿題をやることができる力のある子』と見ているよ」というメッセージを伝えることにもなります。この言外のメッセージは、「メタ・メッセージ」とも言われますが、コミュニケーションではとても強力です。
もしお子さんが「いつも宿題を後回しにする子」「今日もどうせやらないんでしょ…」というメッセージを受け取ってしまったら、もちろんモチベーションも下がってしまいます。
まとめ
前提話法は、相手にポジティブな前提を自然に受け入れてもらうことで、自己肯定感やモチベーションを高める、効果的なコミュニケーション技法です。
カウンセリングだけでなく、日常生活の様々な場面で活用することができれば、人間関係をより良くする助けとなるのでは無いかと思います。
次回も、カウンセリングやコミュニケーションに関する情報をお届けしますので、ぜひお読みいただけると嬉しいです。