アドラー心理学

こんにちは。

今日はアドラー心理学についてお話ししたいと思います。アドラー心理学は、オーストリアの心理学者アルフレッド・アドラーが提唱した理論で、人間関係や自己成長を考える時にとても参考になる点が多く、たくさんの書籍も発行されています。では、さっそくその基本的な考え方を簡単に解説していきますね。

アドラー心理学の基本的な考え方

1.目的論:

アドラーは、人間の行動はすべて目的を持っていると考えました。過去の出来事よりも、未来に向けた目標や目的が私たちの行動を決定づけるという考え方です。例えば、「人間関係で悩む」という行動も、原因や過去に着目するのではなく、「何かしらの目的がある」と考えていきます。

2.劣等感と優越感:

アドラーは、人は誰しも劣等感を持っていると考えました。しかし、その劣等感を克服しようと努力することでが成長につながる重要な要素だと考えます。このプロセスで自分に自信を持つことができ、他人とも健全な関係を築けるようになります。

3.共同体感覚:

アドラー心理学の重要な概念のひとつが「共同体感覚」です。これは、他者と協力し、共に生きる感覚です。自分が社会の一員として貢献できると感じることで、人生に対する満足感が得られます

人間関係で悩んだ時にどう考えるか

例えば、職場で上司との関係に悩んでいるとしましょう。上司が厳しく、毎日ストレスを感じるという状況です。この場合、アドラー心理学の視点からは以下のように考えることができるかもしれません。

1.目的を見つける:

まず、目的を見つけるため、「自分がその上司と良好な関係を築きたい理由」を考えます。仕事を円滑に進めたい、職場での評価を上げたい、ストレスを減らしたいなど、いろいろな目的が考えられます。これにより、自分の行動の目的を明確に捉えることができます。

2.劣等感を克服する:

上司から厳しい指導を受け、自信をなくしているかもしれません。しかし、これを成長のチャンスと捉えることができれば、自分のスキルや知識を向上させる努力をするきっかけとなります。このように、「ピンチはチャンス」と捉えてスキルアップにエネルギーを注ぐことができると、自己評価が高まり、上司の意見に対しても冷静に受け止められるようになります。

3.共同体感覚を持つ:

 上司も同じ職場の一員であり、同じ目的を持って会社で働く仲間と捉えることができます。上司の立場や背景を理解し、協力する姿勢を持つことで、関係が改善される可能性もあるでしょう。たとえば、上司の意見に対して落ち込んだりムッとして黙るのではなく、自分の意見を冷静に伝えることで、互いに良い影響があるかもしれません。

(自分の意見を伝える時は、アサーション・スキルが役に立ちます。)

最後に

アドラー心理学は、自己成長と他者との良好な関係を築くためのツールです。日常の悩みやストレスを解消するために参考にしていただければと思います。「この理論があれば全てに適用できる」というものは残念ながらまだ見つかっていない状態と言えますが、新しい視点を取り入れることで、今まで見えていなかった解決策や、自分や相手の良いところが見えてくるかもしれません。