ぐるぐる思考、つまり同じことを何度も考えてしまって抜け出せない状態になってしまうことは、誰しも経験したことがあるかと思います。
今回はぐるぐる思考をストップさせるために活用できる方法をまとめてみたいと思います。
実践しやすいセルフケア
1.深呼吸とリラックス
まずは簡単にできる方法として、深呼吸があります。「緊張した時は深呼吸」と自然に思い浮かべるくらい、一般によく知られた方法ですね。
特にお腹が膨らんだりへこんだりするような「腹式呼吸」が良いと言われていますが、これは、リラックスした状態や眠っている状態では、自然と腹式呼吸になっていることからそのように言われています。
リラックスした時の呼吸をおこなうことで、体から緊張をゆるめ、気持ちも和らげるような効果が期待できます。
ただ深呼吸するだけでは「これで合ってるかな?」と不安になる場合には、具体的なやり方がわかっている方が取り組みやすいかもしれません。
深呼吸のコツとして、「4-7-8呼吸法」というものがあるため、「具体的に知りたい!」という方はぜひ参考にしてみてください。
4-7-8呼吸法:
- 楽な姿勢・態勢を整える
- 4秒数えながら、鼻かは大きく息を吸う
- 息を止めて、7秒数える
- 8秒数えながら、口からゆっくり息を吐き出す
- 2~4を繰り返す
2.思考を書き出す
次に、思考を紙に書き出すことも有効です。ノートや紙にぐるぐるしている考えを書き出すことで、頭の中が整理されて冷静になれる効果があります。例えば、「明日の発表がうまくいかなかったらどうしよう」と悩んでいるなら、それを書いてみましょう。書くことで、問題を客観的に落ち着いて眺めることができるだけでも、考えや気持ちが落ち着く場合もあります。
3.別の活動に集中する
運動や趣味に没頭するのも効果的です。例えば、散歩やジョギングをしたり、好きな音楽を聴いたり、料理をするなど、自分が楽しめる行動をすることで、ぐるぐる思考をストップさせることができます。
専門家による支援
もしこれらの方法を試してもぐるぐる思考が続く場合、専門家の助けを借りることも1つの手段です。
1.認知行動療法(CBT)
認知行動療法は、カウンセラーと一緒に思考のパターンを見直し、より建設的な考え方を身につける方法です。ぐるぐる思考が何に起因しているのかを理解し、それを解決するための具体的なステップを検討します。
2.マインドフルネス
マインドフルネスは、今この瞬間に集中する方法です。これも専門家の指導のもとで学ぶこともできます。例えば、呼吸や体の感覚に注意を向けることで、過去や未来の心配ごとではなく「今ここ」を意識することができると、悩みに囚われる時間が減ってくると考えられます。
3.自律訓練法などのリラクゼーション
自律訓練法は呼吸法やリラクゼーションの1つです。セルフケアとして自分で実施することもできますが、カウンセリング等で専門家と一緒に取り組む経験をすることで、コツを掴むことができます。
また、専門家のフィードバックを受けながら、自分自身に合ったリラクゼーション法を取り入れることも大切です。
4.解決志向アプローチ(ソリューション・フォーカスト・アプローチ/SFA)
SFAは、原因や過去ではなく解決策や未来に焦点を当てることを特徴とした心理療法の1つです。
SFAでは、ぐるぐる思考の中身や原因を掘り下げるよりも、「ぐるぐる考えずに過ごせているのはどんな時ですか?」「その時はぐるぐる考えてしまう代わりにどんな行動をしていますか?」といったプラスの側面に着目します。そうすることによって、既にご本人が無意識のうちに実践している適切な対処や小さな解決策を見つけ出し、さらに発展させることでより良い過ごし方を叶えていくことを目指します。
まとめ
ぐるぐる思考をストップさせるには、深呼吸や書き出し、趣味に没頭するなどの一般的な方法をまず試してみて、自分自身にあった対処を探ることで過ごしやすくなると考えられます。
また、専門家の助けを借りてカウンセリングやマインドフルネス、リラクゼーション法を実践することも有効です。
誰もが自分に合った方法を見つけて、心の健康を自分自身で保ちながら、いきいきと過ごせると良いですよね。
セルフケアをしていても辛さが減らない時、「こんな時はどうすればいいんだろう?」と疑問が浮かんだ時には、カウンセリングを受けることもセルフケアの一環として考えていただけると良いのかなと感じます。